8.6.1 アプリケーションの定義
ユーザー・エージェントには、各種プロトコル、ファイル形式、文字エンコーディングを使用してJSMアプリケーションと通信するためのオプションが多数用意されています。ただし、ユーザー・エージェントがエンド・ユーザーに提供される場合でも、エンド・ユーザーはこうしたオプションのわずかなサブセットしか使用できません。このようなオプションは、ほとんどの場合、すべてのユーザーに対して同様であり、アプリケーション自体が変更した場合のみ変わります。
カスタム作成ユーザー・エージェント・アプリケーションでは、これらのオプションは非表示になっており、エンド・ユーザーはデスクトップ・アイコンをクリックして、アップロードするファイルを選択するだけでアプリケーションに接続できます。
このためには、以下の項目を用意する必要があります。
· 適切な構成ファイルでユーザー・エージェントを開始するWindowsショートカット。「ユーザー・エージェントの開始」を参照してください。
· 使用するアプリケーションと通信するように構成された完全な構成ファイル(.LIHファイル)。「構成ファイルの作成方法」を参照してください。
· 使用するアプリケーションの正しい構造を含むソース・ファイルのサンプル。「ソース・ファイルについて」を参照してください。
使用するアプリケーションとそのアプリケーションへの接続手順を説明するヘルプ・ファイルまたはヘルプ・ファイルのセットをHTML形式で用意することもお勧めします。ユーザーに見てもらうヘルプ情報はかなり簡単にし、Integratorソフトウェアに付属するデフォルトのユーザー・エージェント・ガイドよりもアプリケーションに関連したものにした方がよいでしょう。「独自のヘルプ・ファイルの作成」を参照してください。
多くの場合、構成ファイルではsource.openディレクティブを使用します。このオプションは、構成ファイルを開いた後にソース・ファイルを検索する方法を指定します。ユーザーが有効なソース・ファイルを選択できるようにするには、以下を使用します。
source.open=*prompt
この場合、ソース・ファイルを選択するファイル・ダイアログがすぐに表示されます。ソース・ファイルにorder.xmlなどの固定の名前がある場合は以下を使用します。
source.open=order.xml
この場合、ユーザー・エージェントによって該当ファイルが選択されます。プロンプトは表示されません。
以下の行を含めることもできます。
source.send=*prompt
この場合、ファイル・ダイアログでファイルを選択するとすぐにそのファイルを送信するかどうかの確認を求められます([ファイル]メニューで[送信]を選択する必要はありません)。あるいは、以下を使用します。
source.send=*noprompt
この場合、ユーザーへの確認なしでファイルが送信されます。
例えば、注文をCSVファイルで受信し、受領をXMLで返すアプリケーションがあり、どちらもUTF-8でエンコードされるとします。ユーザーがアップロードするCSVファイルを選択できるようにします。以下のような構成ファイルを最初に作成します。
#
# MyCompany発注アプリケーションのLANSA Integratorホスト情報
#
#データ・タイプと文字セット
#
xml=application/xml; charset=utf-8
csv=application/comma-separated-values; charset=utf-8
#
#ソース
#
source.open=*prompt
source.send=*prompt
source.filter.extension=csv
source.filter.description=All Sources
source.chooser.description=Comma Separated Values
#
#応答
#
response.filter.extension= xml
response.filter.description=All Responses
response.chooser.description=XML Documents
#
#転送
#
name=MyCompany Pty Ltd
host=http://www.mycompany.com:80
#
csv.uri=/cgi-bin/jsmdirect?ordercsv
#
#ヘルプ
#
help.menu.001=MyCompany Order Help
help.keystroke.001=F1
help.content.001=orderdoc/content.hhc
#
この例では、該当ファイルはmycompany.lihとなります。
次に、ユーザー・エージェントを実行するショートカットを作成します。インストール・ディレクトリを開始するように構成されたショートカットを使用する場合、そのショートカットには以下のようなコマンド行があります。
javaw -Djava.ext.dirs=.\lib\ext com.lansa.jsf.useragent.JSFUserAgent mycompany.lih
最後に、{現在のディレクトリ}\lib\userhelpディレクトリの下にorderdocというサブディレクトリを作成し、HTMLヘルプ・ファイルのセットを作成します。詳細については、「独自のヘルプ・ファイルの作成」を参照してください。
これらのファイルを配布用にパッケージする場合の詳細については、「インストールする必要があるもの」を参照してください。