6.1 配布に関する考慮事項

LANSA Composer

6.1 配布に関する考慮事項


開発と実稼動に異なるシステムを使用する場合は、1つのシステムから他へ、LANSA Composerソリューションを正しく完全に配布するために必要な手順を理解する必要があります。

配備に関するニーズに対応するために、Composerにはエクスポートおよびインポート機能が用意されています。エクスポートおよびインポート機能を使用すれば、LANSA Composerソリューションの配布作業のほとんどを自動化できますが、いくつかの手順はユーザーが行う必要があります。また、いくつか考慮すべき事項もあります。

以下のような項目について考慮する必要があります。

アクティビティ

アクティビティグループ

取引先

変換マップ

処理シーケンス

転送構成とデータベース構成

転送構成とデータベース構成のセキュリティ証明書

コード値

システム設定とシステム・プロパティ

アクティビティ

独自のカスタム・アクティビティを定義した場合は、アクティビティを使用したいすべてのシステムに配布する必要があります。

完成した機能するアクティビティには2つのパーツがあります。

1.   アクティビティ定義 - LANSA Composerのエクスポートおよびインポート機能を使用して、アクティビティ定義を配布できます。

2.   アクティビティ・プロセッサ - アクティビティを実装する実行可能コード(LANSAの再利用可能なパーツ)です。必要に応じて、ユーザーがアクティビティ・プロセッサを配布する必要があります。LANSAのエクスポートおよびインポート機能、またはVisual LANSAの配布ツールを使用することができます。LANSAアプリケーションの配布の詳細については、LANSAのマニュアルを参照してください。

LANSA Composerに用意されているアクティビティ定義の場合は、通常はエクスポートもインポートも必要ありません。ただし、LANSA Composerのインストール時またはアップグレード時に指示があった場合は除きます。これらのアクティビティの定義は変更しないでください。

アクティビティグループ

アクティビティ定義をエクスポートする際には、アクティビティグループもエクスポートされます。これは、ソース・システムでアクティビティが割り当てられたグループです。

ターゲット・システムにアクティビティ定義をインポートする際に、同じアクティビティグループが既にターゲット・システムに存在する場合は、アクティビティが同じグループに割り当てられます。LANSA Composerによってターゲット・システムにアクティビティグループは作成されません。アクティビティ定義をインポートする前に、ターゲット・システムにアクティビティグループを配布するか定義する必要があります。

ターゲット・システムにアクティビティグループを割り当てなかった場合でも、アクティビティやこのアクティビティを使用する処理シーケンスの機能には影響しません。アクティビティグループは、アクティビティ定義の保守や処理シーケンスの編集の際にすばやくアクセスできるように、アクティビティを分類するためのものです。

取引先

エクスポートおよびインポート機能を使用して、他の定義と同様に、LANSA Composerインストール・システム間で取引先を配布できます。

取引先にインストール・システムで定義されたプロパティを使用している場合は、各取引先のプロパティの値がエクスポートに含まれます。ターゲット・システムに取引先定義をインポートする際に、同じプロパティがターゲット・システムに既に存在する場合は、インストール・システムで定義された取引先プロパティの値がインポートされます。取引先定義をインポートする前に、インストール・システムで定義された取引先プロパティを、ターゲット・システムに配布するか定義する必要があります。取引先グループの場合も同様です。

取引先定義をエクスポートする際に、エクスポートに含まれる定義の構成、変換マップおよびディレクトリが取引先にリンクされます。ただし、実際の構成と変換マップは自動的にはエクスポートに含まれません。ターゲット・システムに構成と変換マップが存在することをユーザーが確認する必要があります。存在する場合は、取引先をインポートしたときにリンクが復元されます。

特に、リンクされたディレクトリについては、各システムで同じ構造になるようにディレクトリ・パスを構成したいでしょう。同じでない場合は、インポート後に、ターゲット・システムで取引先定義のディレクトリ・パスを手動で変更しなければならない場合があります。

変換マップ

LANSA Composer内の変換マップの定義は次の要素から成り立っています。

1.  LANSA Composerデータベース内に保持される部分。正常に準備されたマップには以下のものが含まれます。

  • マップの名前や記述などの基本的な識別情報
  • マップを実行する際に必要なパラメータ情報
  • マップ定義で使用された主要なコンポーネントの識別情報などマップに関するカタログ情報
  • 前回正常に準備された時のマップ定義および導入ファイルのカタログ化されたコピー

     変換マップをエクスポートすると、マップ定義や導入ファイルを含め、上記の情報全てがエクスポートに含まれます。(エクスポート・インポート時の選択オプションにもよります)

2.  マップ定義(.mfd)やマップ実行(.jar)ファイルなど変換マップに関連付けられたファイル・システム内に保持されるファイル。

     LANSA Composer 4.0以降のバージョンで正常に準備された変換マップをエクスポートすると、このファイル・システム内のファイルよりも、(LANSA Composerデータベースからの)カタログ化されたバージョンのファイルがエクスポートされます。カタログ化されたファイルがこのファイル・システムで保持されているファイルと一致しない場合、LANSA Composerはエクスポート・ログに警告を残しますが、いずれにしてもカタログ化されたものがエクスポートされます。

     カタログ化されたバージョンのファイルがない場合(例えばマップが今まで準備されたことがない、またはLANSA Composerの以前のバージョンでマップが準備されたなど)LANSA Composerはファイル・システムで保持されているバージョンのファイルをエクスポートします。

 

変換マップの配布については、次の点にも注意してください。

  • 変換マップ定義(.mfdファイル)は実行時には必要ありません。この定義が必要なのは、マッピング・ツールを使用して変換マップを表示したり修正する場合のみです。これらの定義をコピーして配布するかどうかは、配布の要件ではなく、ソースおよびバージョン・コントロールの問題です。
  • LANSA Composerのエクスポートおよびインポート機能を使用して、上記に示されているようにエクスポート・インポートの選択オプションに従って、マップ実行(.jar)ファイルが配布できます。これらのファイルなしでは関連する変換マップは実行できないので、通常はこれらのファイルは配布される必要があります。
  • MFT(Flextext構成)ファイルがカタログ化されエクスポートされたマップをインポートする際は、このMFTファイルは、インポートする側のシステムのLANSA Composerのファイル保管データベース内にカタログ化され、(MFDやJARファイルと異なり)ファイル・システムには書き込まれません。このようなファイルは複数のマップ間で共有できる(共有されることがよくある)ので、意図的にこのようになっています。また、このようなファイルのLANSA Composerがコントロールできる場所がないのも1つの理由です。(場所はマップ定義内で指定されます。)

注: 変換マップの実行ファイル(.jarファイル)をエクスポートに含めると、エクスポート・ファイルのサイズがかなり大きくなります。処理を容易にし、システムの制限を超過することを避けるために、場合によっては、個々の変換マップや変換マップ・グループのエクスポートをモジュール化したり分離する必要があります。

処理シーケンス

処理シーケンス定義をエクスポートする際に、エクスポートされる定義に処理シーケンスのバージョン履歴は含まれません。現在の定義だけがエクスポートされます。

転送構成とデータベース構成

LANSA Composerの転送構成とデータベース構成機能によって、構成情報(システムによって異なる場合がある)とこれを使用する処理シーケンスが分離されます。

例えば、1つのシステムから他へ処理シーケンスを配布するときに、処理シーケンスは名前付きの構成のセットを使用しますが、構成の実際の定義は、開発システムと実稼動システムで異なっていてもかまいません。このように、システムに適切な転送構成詳細とデータベース構成詳細を使用して、同じ処理シーケンスを両方のシステムで実行できます。

このように構成を使用する場合は、最初に作成する場合を除き、構成をシステム間に配布したくないでしょう。配布すると、ターゲット・システムにインポートした後で、構成の定義を変更しなければなりません。

構成が外部ファイルまたは外部オブジェクト(SMTPメール詳細構成の本文テキスト・ファイルなど)に依存する場合は、外部ファイルまたは外部オブジェクトがターゲット・システムに配布されること、またはターゲット・システムからこれらにアクセスできることを確認する必要があります。

転送構成とデータベース構成のセキュリティ証明書

LANSA Composerでは、転送構成とデータベース構成に含まれるセキュリティ証明書に関連付けられたパスワードはエクスポートまたはインポートされません。したがって、インポート後に、ターゲット・システムで構成を手動で変更して、ターゲット・システムで適用されるパスワードを指定する必要があります。

ユーザー名(指定した場合)はエクスポートおよびインポートできます。ただし、多くの場合、ユーザー名もターゲット・システムで変更する必要があるでしょう。

コード値

LANSA Composerのエクスポートおよびインポート機能でコード値を配布できます。コード値のグループ(アクティビティグループなど)をエクスポートすると、そのグループのすべてのコード値がエクスポートされます。これらをターゲット・システムにインポートする際には、既に存在するコード値に追加されるか、既に存在するコード値が更新されます。ターゲット・システムで定義されたコード値のうち、エクスポートに含まれないものは削除されません。

システム設定とシステム・プロパティ

LANSA Composerでは、「システム設定」で指定したシステム設定やシステム・プロパティはエクスポートまたはインポートされません。ターゲット・システムで、環境に合わせてシステム設定が定義されていることを必ず確認してください。この確認を行う必要があるのは、通常は1回だけです。