ステップ6. サーバー側の問題箇所を特定、評価する

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ステップ6. サーバー側の問題箇所を特定、評価する


ここに表示される値は、サーバーに要求を送ってから応答が返されるまでの経過時間です。目標よりも時間がかかっている場合は、次のような問題がないか確認し、パフォーマンスを改善してください。

WAMプログラムがSystem iサーバーで処理するには複雑過ぎる

これは「ステップ4. サーバーとのやり取りに必要な平均CPU処理量を評価する」の結果によって明らかになります。5250プログラム、バッチ・プログラムなどでも同じことです。同時に何人もが使おうとした場合、複雑過ぎてこのシステムでは処理しきれません。Webプログラムだからといって特別な対処法はなく、5250プログラムやバッチ・プログラムの場合と同じです。

「Hello World」プログラムとの対比 単純に「Hello World」と表示するだけのプログラムをVLFアプリケーション・テスト環境で実行してみることにより、問題の分類が可能です。「Hello World」プログラムは問題ないのに他のプログラムが満足に動作しない場合、おそらく処理が複雑過ぎるのが原因です。

通信システムやHTTPサーバーが過負荷である、または設定に問題がある

L4Webとのやり取りに要する平均CPU時間が妥当である場合、HTTP要求をサーバーに送る、または応答をサーバーから返すために時間がかかっている可能性があります。

通信経路が過負荷である、または速度が遅い

通信速度の評価には専用のツールやリソースが必要です。しかし、午前9時から11時半にかけて印刷ジョブが大幅に遅くなり、小さなファイルをネットワーク・サーバーにコピーするだけで30秒もかかってしまう、というような状況がある場合、そのような評価を実施するまでもありません。L4Webジョブに時間がかかるのも問題の根は同じです。

Apacheサーバーのチューニング

Apache Webサーバーは、HTTP要求を順次実行していますが、これが過負荷になっていたり、何らかの理由でうまく処理できなくなったりすることがあります。例えば設定が不適切で、要求を実行するために充分な数のスレッドを生成できない、という場合があります。あるいは、スレッドがブロックされる、要求を取りこぼす、などといった状況に陥っているかも知れません。

·         最新のApache PTFを適用してください。

·         Apacheのチューニングに関する、IBM Redbooksを参照してください。

·         Apacheのパフォーマンスチューニングに関する専門家に相談してください。

·         「Hello World」プログラムとの対比 単純に「Hello World」と表示するだけのプログラムをVLFアプリケーション・テスト環境で実行してみることにより、問題の分類が可能です。「Hello World」プログラムも他のプログラムも同様に満足に動作しない場合、おそらくHTTPサーバーまたは通信経路に関する問題が原因です。

L4Webジョブの実行に時間がかかっている

L4Webとのやり取りに要する平均CPU時間が妥当である場合、L4Webジョブそのものの要求処理に時間がかかっている可能性があります。1回の要求を処理するためにCPU時間が例えば0.3秒で足りるとしても、0.4秒分のCPU時間が割り当てられるまでに、実時間では40秒かかっているかも知れません。これも5250プログラムやバッチ・プログラムの場合と同じです。CPUというリソースが適切に割り当てられないため、応答時間が遅くなってしまうのです。

これに対処するためにはSystem i全体のチューニングが必要です。サブシステム、マシン・プール・ストレージの動作レベル、タイム・スライス、優先度、マシン・プール・サイズなどを総合的に考慮しなければなりません。5250アプリケーションでも同じような問題に遭遇したことがあるかも知れませんが、L4Webジョブを実行するメモリー・プールが、頻繁にページングを起こしていることも考えられます。

このような場合、チューニングのためにいたずらに時間を費やすよりも、ハードウェアをアップグレードする方が簡単であり、費用の面でも有利です。

このような問題が起こるのには、次のような理由があります。

·         System iに5250ユーザーを新たに50人追加する場合、日常業務に大きな影響があるので、ハードウェアの増強が必要になっても不思議ではありません。L4Webユーザーが増えた場合も同じことです。

·         増強する場合においても、ウェブ・ユーザーは通常、5250ユーザーよりも多くのリソースを使うことを考慮しなければなりません。例えばVLFなどAJAX型のアプリケーションを使うウェブ・ユーザーは、5250ユーザーに比べると、単に画面を見ながらじっと考えているためCPUに負荷がかからない、という時間が比較的短い傾向があります。

次のようなことを試してみてください。

·         サーバーの能力に合わせてプログラムを簡潔なものにする

·         アプリケーションの構成を見直して、サーバーに要求を送る頻度を下げる

·         ページングが頻繁に発生している場合は特に、System iサーバーのパフォーマンスチューニングを試みる

·         System iサーバーの物理メモリーを追加してページングの頻度を下げる

·         System iサーバーをアップグレードする