ステップ実行グループ

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ステップ実行グループ

プロジェクト内で、信号を互いに送受信するステップは、1つの実行グループであるとみなされます。1つの実行グループ内の個々のステップの実行のタイミングは、信号の継承やハードウェアの構成などの要素によって決定されます。たとえば、信号を解析するステップは、前のステップや計測器から信号を受け取るまで実行できません。実行グループに属しているステップは、プロジェクトビューで青い実行ループで囲まれて表示されます。

1つのプロジェクトに、互いに独立して実行される複数のステップグループを追加することができます。1つの実行グループのステップは、別の実行グループのステップから信号を受け取りません。たとえば、2つの「アナログ信号を作成」ステップをプロジェクトビューに配置すると、以下の図で示すようにそれらが異なる実行ループ内に表示されます。これは、2つ目の「アナログ信号を作成」ステップが1つ目の「アナログ信号を作成」ステップから信号を受け取らないためです。

プロジェクトを実行すると、これらの「アナログ信号を作成」ステップは、互いの実行を待機する必要がないため同時に実行されます。

各ステップが同じグループ内に属すかどうかは、LabVIEW SignalExpressによって自動的に決定されます。たとえば前述の例において、2つ目の「アナログ信号を作成」ステップの後に「演算」ステップを追加すると、3つのステップは以下の図で示すように1つのループ内に表示されます。これは、「演算」ステップが両方の「アナログ信号を作成」ステップからデータを受け取るためです。

このプロジェクトを実行すると、2つの「アナログ信号を作成」ステップが実行され、その後「演算」ステップが実行されます。

この「演算」ステップの後に、さらに2つの「アナログ信号を作成」ステップと1つの「演算」ステップを追加すると、これらの新しいステップは別の実行ループ内に表示されます。これは、2つ目のグループが1つ目のグループからデータを受け取らないためです。プロジェクトを実行すると、2つのグループが独立して実行されます。マルチレートアプリケーションを作成したり、2つの異なる信号を2つの異なるハードウェアデバイスに個々の速度で同時に出力する場合などは、このように1つのプロジェクトで複数の実行グループを使用します。

また、1つの実行グループ内で、一部のステップが他のステップとは独立して実行されるように構成することもできます。たとえば、プロジェクトビューに「アナログ信号を作成」ステップ、「フィルタ」ステップ、「スケールと変換」ステップを追加し、「フィルタ」ステップと「スケールと変換」ステップで「アナログ信号を作成」ステップの出力信号を入力として使用するように構成すると、「フィルタ」ステップと「スケールと変換」ステップが同時に実行されます。これは、「スケールと変換」ステップが「フィルタ」ステップの実行完了を待機する必要がないためです。両方のステップは、「アナログ信号を作成」ステップが実行されると即時実行されます。

独立して実行されるステップの構成を誤ると、そのステップはエラーが発生して実行が停止し、信号が返されません。この場合でも、このステップに依存しない他のステップは継続して実行されます。