1.2.1 IBM i スレーブ・システム
IBM i スレーブは、IBM iで実行するマスターLANSAシステムに接続しているWindows PC上のVisual LANSAシステムです。
マスターLANSAシステム
マスターLANSAシステムは、LANSAシステム定義データを保守する能力により識別されます。マスターLANSAシステムは、スタンドアロンです。マスター・システム定義データは、システムのインストール時またはアップグレード時にロードされます。LANSAリポジトリ・データは、別のLANSAシステムからインポートすることができます(マスターLANSAシステムは、ホスト・モニターを使用しません)。
IBM i上でLANSA/ADを使用している場合は、常にこれがマスター・システムになります。各LANSA/ADシステムは、スレーブVisual LANSAシステムを持つこともできます。
Windows上のVisual LANSAシステムをマスター・システムにすることができますが、スレーブ・システムを持つことはできません。ただし、クライアントを持つことは可能で、リポジトリ・データを開発用に使用できます。詳細については、「1.2.4 独立Windowsサーバー」を参照してください。
スレーブLANSAシステム
スレーブのLANSAシステムは、LANSAシステム定義データを保守できません。スレーブLANSAシステムは、自身のシステム定義をマスターLANSAシステムから受け取ります。マスターLANSAシステムに従属します。マスター・システムに変更を加えたら、必ず、スレーブ・システムでシステム定義を更新する必要があります。
スレーブLANSAシステムはマスター・システムと疎結合しています。 スレーブLANSAシステムはマスター・システムとは別に作動しますが、LANSAオブジェクトの修正にはマスター・システムの許可の取得が必要になります。また、マスター・システムから、最新バージョンのオブジェクトを取得します。変更を加えた場合には、チェックのためマスター・システムに戻されます。変更を加える権限をもつのは一度にひとつのWindows PCのみです。ひとつのWindows PCが変更権限を持つと、他のWindows PCは変更を加えることができません。
スレーブLANSAシステムは、ホスト・モニターを使用するマスター・システムとリポジトリ・データを交換し、マスターLANSAシステムからリポジトリ・データをチェックインおよびチェックアウトしています。ホスト・モニターの詳細については、『Visual LANSA 管理者ガイド』の「ホスト・モニター」を参照してください。
Visual LANSAをスレーブにすることができるのは、LANSA/AD マスター・システムに対してのみです。これは、別のVisual LANSAシステムのスレーブにすることはできません。
異なるWindows PC上の複数のスレーブVisual LANSAシステムから、単一のIBM i上のマスターLANSAリポジトリにアクセスできます。
マスター・システムとスレーブ・システムでの開発
LANSAアプリケーションをマスター・システムとスレーブ・システムを使用して開発する場合、持つことができるマスターLANSAリポジトリは1つだけです。マスターLANSAリポジトリは一般に、マスターLANSA/ADシステムがあるIBM i上に存在します。
Visual LANSAスレーブ・システムは、ローカルまたはスレーブのLANSAリポジトリも持ちます。スレーブVisual LANSAリポジトリには、Visual LANSAを使用して開発中または保守中の、マスター・リポジトリからのオブジェクトのコピーが入っています。Visual LANSAは、ローカルLANSAリポジトリを格納するワークステーション上のデータベース管理システムを使用します。
LANSAリポジトリには、以下の2つのタイプの情報が格納されます。
- LANSAシステム定義
- LANSAアプリケーション定義
LANSAシステム定義とLANSAアプリケーション定義とは、同期した状態に保つことが重要です。LANSAは、このタスクを支援する数多くの機能を提供しています。「マスター・システムとスレーブ・システムの同期」を参照してください。
IBM iスレーブのうち一つは、ビルド・コンピュータとして設計する必要があります。「1.2.8 Windows ビルド・コンピュータ」を参照してください。