レンズの収差を補正する

Digital Photo Professional

レンズの収差を補正する

レンズの物理特性や、わずかな残存収差の影響で生じる、周辺光量の低下や画像の歪み、色にじみなどを簡単に補正することができます。 なお、収差補正ができる画像は、対象カメラと対象レンズで撮影されたRAW画像のみです。 JPEG画像およびTIFF画像の補正はできません。

  • 対象レンズにエクステンダーを装着して撮影したRAW画像も、補正することができます。

  • EF 50mm F2.5コンパクトマクロに、ライフサイズコンバーターEFを装着して撮影したRAW画像も、補正することができます。

  • 「Digital Photo Professional 使用説明書」(PDF形式の電子マニュアル)に記載する「対象カメラ」と「対象レンズ」の組み合わせ以外で撮影された画像は、収差補正機能の対象外となるため、非表示となり使用できません。

  • カメラ本体内で生成した多重露出RAW画像はレンズ収差補正機能の対象外となります。

  • EFシネマレンズ(CN-Eレンズ)は対象外となります。

補正する

次の4種の要素について、単独あるいは複数同時に補正することができます。

  • 周辺光量
  • 色収差(画像周辺部に発生する色ズレ)
  • 色にじみ(画像の高輝度部のエッジに発生することがある青色や赤色のにじみ)
  • 歪曲
  1. 編集画面または、セレクト編集画面のツールパレットで[Lens]タブを選ぶ

  2. [調整]ボタンを押す

  3. 補正する項目をチェックする

    • 画像が補正されて再表示されます。

    • 周辺光量、歪曲の補正結果は、全画面表示で確認します。

    • 色収差、色にじみの補正結果は、画像上の確認したい個所をクリックし、右上の200%表示された拡大表示部で確認します。

    • 補正項目のスライダーを左に動かすと補正効果を弱めることができます。

    • [色収差]の[R]、[B]スライダーは、赤色の収差を[R]で、青色の収差を[B]で個別に補正することができます。

    • 魚眼レンズ(EF 8-15mm F4L USM Fisheye、EF 15mm F2.8 Fisheye)の歪曲補正は、[効果]のリストボックス内の項目を選択することにより、通常の歪曲補正である[撮影時設定]の他に、4項目の効果を選ぶことができます。また、効果の利き具合は、[歪曲]項目下の調整スライダーで調整を行うことができます。なお、各効果の詳細については、「Digital Photo Professional 使用説明書」(PDF形式の電子マニュアル)を参照してください。

    • EF 8-15mm F4L USM Fisheyeの歪曲補正の[効果]で、[直線を重視]を選択したときには[微調整]スライダーが表示されます。調整スライダーでの調整結果が不十分なときに、調整スライダーとあわせてご使用ください。

    • エクステンダーを選ぶリストボックスが表示されたときは、リストボックスから撮影時に装着したエクステンダーを選んでください。

  4. [OK]ボタンを押す

    • [レンズ収差補正]画面が閉じて、補正結果が編集画面上の画像に反映され、再表示されます。

    • [レンズ収差補正]画面の設定結果は、ツールパレットにも表示されます。

    • メイン画面では、レンズ収差補正を示す[ マークが画像に表示されます。

Lensツールパレット

[デジタルレンズオプティマイザ] デジタルレンズオプティマイザ
[レンズ収差補正] レンズ収差補正

レンズ収差補正画面

[リセット] 撮影時の状態に戻します。
[撮影距離] 撮影距離スライダー*
[周辺光量] 周辺光量補正
[歪曲] 歪曲補正
[色収差] 色収差補正
[R] 赤色の収差補正
[B] 青色の収差補正
[色にじみ] 色にじみ補正
[ナビゲーター表示] 拡大表示部の位置を表示/非表示します。
[グリッド] グリッドを表示します。
[OK] 設定内容を画像に適用して画面を閉じます。
[キャンセル] 設定内容をすべてキャンセルして画面を閉じます。

*MP-E 65mm F2.8 1-5x マクロフォト、EF 50mm F2.5 コンパクトマクロ+ライフイズコンバーターEF で撮影したRAW 画像は、スライダーの指標が撮影倍率に変わります。

レンズ収差補正画面に、エクステンダーを選ぶリストボックスが表示されたときは、リストボックスから撮影時に装着したエクステンダーを選んでください。

撮影距離スライダーについて

  • 下表のカメラで撮影したRAW画像に補正を行うと、画像に撮影距離情報が保存されているときは、撮影距離情報に応じて、スライダーが自動設定されます。ただし、画像に撮影距離情報がないときは、右端の無限遠位置に自動設定されるとともに、スライダーの上部に、[<!>]が表示されます。撮影距離が無限遠でない画像のときは、画面を見ながらスライダーを操作して、撮影距離を微調整することができます。
    EOS-1D X EOS-1D C EOS-1D Mark IV
    EOS-1Ds Mark III EOS-1D Mark III EOS 5D Mark III
    EOS 5D Mark II EOS 6D EOS 7D
    EOS 70D EOS 60D EOS 50D
    EOS 40D EOS Kiss X7i EOS Kiss X7
    EOS Kiss X6i EOS Kiss X5 EOS Kiss X4
    EOS Kiss X3 EOS Kiss X2 EOS Kiss X50
    EOS Kiss F EOS M2 EOS M
  • 下表のカメラで撮影したRAW画像を補正したときは、右端の無限遠位置に自動設定されます。撮影距離が無限遠でない画像の場合、画面を見ながらスライダーを操作して微調整することができます。
    EOS-1D Mark II N EOS-1Ds Mark II EOS-1D Mark II
    EOS-1Ds EOS-1D EOS 5D
    EOS 30D EOS Kiss Digital X

  • MP-E 65mm F2.8 1-5xマクロフォト、EF 50mm F2.5コンパクトマクロ+ライフイズコンバーターEFで撮影したRAW画像は、スライダーの指標が[撮影倍率]に変わります。
  • [撮影距離]スライダーは、チェックされた補正項目すべてに適用されます。

複数画像の一括補正

メイン画面で補正する複数の画像を選び、ツールバーの[ツール]ボタンを押すと、ツールパレットが表示されます。 この状態で補正操作を行うと、メイン画面で選んだすべての画像に、同じ内容の補正を一括適用することができます。 また、補正した画像のレシピをコピーし、適用したい複数の画像に貼り付けることで、補正内容を一括適用することもできます。 (調整した内容を別の画像にも適用する


こんなときは
  • [周辺光量]補正を行ったら画像周辺部にノイズが発生した
  • ノイズ緩和機能で輝度ノイズ緩和、色ノイズ緩和を行うと、発生したノイズを緩和することができます。ただし、夜景や高ISOで撮影した画像に、補正量を多く設定すると、ノイズを緩和できない場合があります。
  • [歪曲]補正を行ったら画像の解像感が下がった
  • 鮮鋭度調整でシャープネスを強めると、補正前の画像に近づけることができます。
  • [色にじみ]補正を行ったら画像の彩度が下がった
  • 色の濃さ調整や彩度調整で彩度を上げると、補正前の画像に近づけることができます。
  • [色にじみ]補正を行っても効果がわからない
  • [色にじみ]補正は、画像の高輝度部のエッジに発生する、青色や赤色のにじみの補正に有効です。 条件にあわない場合は補正効果がありません。

[歪曲]補正を行うと、画像の周辺部が一部削除されることがあります。