スマートサーバーを稼働させる
BazaarはHTTP、FTPもしくはSFTPを通して動作するので特化したサーバーは必須ではありません。 SSH、inetd、もしくは専用モードで起動できるスマートサーバー(smart server)の選択肢があります。
ダムサーバー
HTTP、FTP、SFTPとHTTP-WebDAVを”ダム(dumb)”サーバーとして記述します。 これらはBazaarに支援を提供しないからです。 これらのプロトコルのどれかを通してBazaarリポジトリを利用できるようにする場合、 Bazaarはリモートからの読み込みを許可します。 実行しているBazaarコマンドの中でブランチへのURLを入力するだけです。:
bzr log http://bazaar-vcs.org/bzr/bzr.dev
BazaarはFTP、SFTPと(プラグインを通した)HTTP-WebDAVを通した書き込みをサポートします。
ハイパフォーマンスなスマートサーバー
ハイパフォーマンスなスマートサーバー(hpss - high-performance smart server)はいくつかのオペレーションをダムサーバーよりも遙かに高速に実行します。 開発者がパフォーマンスのチューニングを継続するので、将来のリリースではスマートサーバーを利用することで改善されるオペレーションの範囲は増えます。
高度なセキュリティの維持を可能にするために、 デフォルトでは現在のスマートサーバーはリードオンリーになります。 読み込みと書き込み権限を有効にするには、 --allow-writes で動かします。 SSHアクセスメソッドを利用するとき、bzrは --allow-writes オプションで自動的に実行します。
次はスマートサーバーの代替の設定方法を説明します。
SSH
SSHを通してBazaarを利用する際にサーバー上の特別な設定は必要ありません:
BZR_REMOTE_PATH=~/bin/bzr bzr log bzr+ssh://host/path/to/branch
BZR_REMOTE_PATH 環境変数はリモートシステムで bzr が起動する方法を調整します。 デフォルトでは単に bzr として起動するので、 bzr 実行ファイルはデフォルトの検索パス上にあることが要求されます。
bzr+ssh:// URLスキームはファイルシステムのrootからの絶対パスだけをサポートします。 将来のバージョンでは sftp:// URL (https://bugs.launchpad.net/bzr/+bug/109143) と同じように ~ もサポートされる予定です。
inetd
この例では /srv/bzr/repo/branchname にブランチがある /srv/bzr/repo 内の 共用リポジトリ用に専用ユーザーの bzruser で bzr を実行する方法を示しています。
inetdからBazaarサーバーを動かすにはinetd.confエントリが必要です:
4155 stream tcp nowait bzruser /usr/bin/bzr /usr/bin/bzr serve --inet --directory=/srv/bzr/repo
クライアントコマンドを実行するとき、提供するURLは inetd.confに渡される --directory オプションに相対的な bzr:// です:
bzr log bzr://host/branchname
専用サーバー
このモードはinetdモードと同じパスとURLのふるまいを持ちます。 特定のユーザーとして実行するには、 su を使うもしくはそのユーザーとしてログインします。
この例では公式のポート番号の 4155 上でbzrを稼働しすべてのインターフェイス上でリスンします。 これによってポート 4155 上のマシンに到達できる世界のどこからでも接続できます。
サーバー:
bzr serve --directory=/srv/bzr/repo
クライアント:
bzr log bzr://host/branchname
この例では localhost のポート 1234 で bzr serve が実行されます。
サーバー:
bzr serve --port=localhost:1234 --directory=/srv/bzr/repo
クライアント:
bzr log bzr://localhost:1234/branchname