第VI部〜秀丸エディタ拡張モジュール 秀丸パブリッシャーについて

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第VI部〜秀丸エディタ拡張モジュール
 秀丸パブリッシャーについて


●秀丸パブリッシャーとは?

 秀丸エディタにもデフォルトで印刷機能がついていますが、あまり機能は多くありません。 秀丸パブリッシャーを使う事で、

  • 印刷プレビュー
  • カラー印刷
  • 秀丸エディタ本体での文字修飾をそのまま印刷

等が可能になります。

秀丸パブリッシャーは、

  • 「Visual Basic版」
  • .NET Frameworkで作成した「64bit版」

の2種類が存在します。 「64bit版」とありますが 32bit 秀丸エディタ でも使用可能で、 Windows Vista 以降は、32bit/64bit 秀丸エディタを問わずに、.NET Framework で作成した「64bit版」を使用する事を推奨しています。

【1】ダウンロード、インストールと秀丸エディタ本体の設定

秀丸パブリッシャーは、以下の場所から入手可能です。

秀丸パブリッシャー自体は、フリーソフトウェアです。秀丸エディタ Ver.8.00 以上で使用する事が推奨されています。

ダウンロードしたファイルを実行するとインストール先を聞かれます。

インストール先の設定

インストールが完了すると、秀丸エディタ本体の設定を変えるようメッセージが表示されるので、 設定変更を行いましょう。

最終メッセージ

秀丸エディタ本体側の印刷設定

【2】印刷するには

設定が多いですが、普通に印刷するだけなら、以下の2箇所を設定・確認後、 印刷範囲、印刷部数を確認し、「印刷」ボタンを押すだけです。
(デフォルトでテンプレートは「_標準印刷」が選択されています。)

  • 「設定の一覧」にある「プリンタ/用紙」を選択し、使用するプリンターと用紙サイズを確認・設定。

    プリンター/用紙

  • 「設定の一覧」にある「本文BOX」を選択し、余白やフォント、フォントサイズ、カラー印刷など設定。
    行番号や、ファイル名の印刷なども「本文BOX」の設定で可能です。

    本文BOX

    • 「カラー印刷」にチェックを入れると、「フォント修飾再現」は操作できなくなります。 (強制的にONになり、OFFにできない)
    • 「背景色は白にする」は、カラー印刷じゃない場合も設定できますが、「カラー印刷」が有効でないと意味がないです。
    • 「フォント修飾再現」は、「ファイルタイプ別設定-デザイン」で設定したスタイルを印刷時にも適用するかどうかです。
    • 「編集記号の印刷」は、通常印刷されない、タブ文字、改行文字、全角空白、半角空白を印刷します。
      実際に印刷されるのは、「ファイルタイプ別の設定」で表示するように設定してある「編集記号」だけです。 つまり、印刷するファイルの設定に影響されます。画面に表示されない編集記号は、チェックを入れても印刷されません。

注意

  • 「余白」等で数値を入力可能な箇所がありますが、キーボードから直接数値を入力して「Enter」を押すと、 印刷が始まってしまいます。(IMEがOFFの場合。)

    これは、デフォルトのボタンが「印刷」に設定されているからです。 項目を移動するつもりで「Enter」を押してしまうと、印刷が始まってしまうので注意してください。

【3】印刷フォーマットを指定して印刷したい

ファイル名の表示や、ページ番号の印刷も「本文BOX」の設定で可能ですが、

  • 本文とは別のフォントにしたい、
  • ページ番号の印字方法を変えたい
  • ページ番号を印刷する場所を変えたい

等の場合は、テンプレートを編集する事で可能になります。

テンプレートの簡単な説明

  • 秀丸パブリッシャーで印刷を行うには、「テンプレート」を作成し指定する必要があります。 Wordなど、ワープロソフトと違い、印刷対象のファイル内に印刷設定を保存する事ができないため、 印刷するテキストと、印刷設定を記録する「テンプレート」は別のファイルになります。

    つまり指定されたテンプレートに合わせ、本文を印刷する事になります。 テンプレートは「_標準印刷」の他、サンプルがいくつか添付されています。

  • 「テンプレート」には、用紙内に「BOX」という印刷エリアを配置し、設定する必要があります。

    「BOX」は通常の「BOX」と「本文BOX」の2種類あり、配置は「レイアウト編集」で行います。

  • 「テンプレート」には、「本文BOX」がデフォルトで配置され、削除はできません。 「本文BOX」は印刷を実行するファイルの内容が挿入される場所なので、必ず1個必要になります。 (新規でテンプレートを作成すると、「本文BOX」がデフォルトで配置されます。)

  • 通常の「BOX」には、記述した内容が、そのまま表示/印刷されます。 ワープロでいうところの、ヘッダー/フッターのような使い方になります。 ページ番号や、ファイル名、フルパスなどが設定できます。

テンプレートの編集

では、テンプレートを実際に作成・編集してみましょう。

テンプレート名が表示されている箇所の横にある、“…” ボタンを押して、テンプレートの一覧画面を表示させます。

テンプレート一覧表示ボタン

この画面で、テンプレート新規作成、コピー、削除等が可能です。 今回は“_標準印刷”をコピーして、“テスト用”という名前でテスト用のテンプレートを作り、編集していきます。

テンプレート一覧ダイアログ

テンプレートは、用紙の上から順番に

  • ファイル名(フルパス)
  • ファイルの作成日時
  • 印刷日時
  • 本文
  • ページ番号

という構成で作成します。

まずは、用紙と、余白を設定してください。 (「設定の一覧」にある「本文BOX」の余白の設定とそこに表示されている、高さと幅を記録しておいてください。)

「レイアウト編集」ボタンを押すと、編集画面が開きます。 初期状態では、マージンいっぱいまで、本文BOX が配置されているだけです。

  1. 他のBOXを配置するために、本文ボックスの高さを適当に変えて、BOXを配置する場所を作ります。 BOXは、重ねる事が可能なので、ずらさないと印刷時に重なってします。
    レイアウト-本文BOX

  2. ファイル名表示用のBOXを追加します。 編集画面のツールバー、または余白部分の右クリックメニューから「BOXの新規追加」を選択し、 「BOXを新規に追加する」を選択し「OK」を押すと、レイアウト編集画面にBOXが追加されます。

    レイアウト-BOXの追加

    レイアウト-BOXの追加ダイアログ

    BOXを選択しダブルクリックすると、BOXのプロパティが開き、フォントや表示する内容などを設定する事ができます。 プロパティ画面の設定に関しての詳細は「ヘルプ」を参照の事。

    今回はファイル名を表示するので、「テキスト」の「属性」を「ファイル名(フルパス)」にし、 フォントやサイズ、スタイルは、好みにあわせて設定を行います。

    レイアウト-BOXのプロパティ

    設定後、「適用」ボタンを押すと、設定内容に合わせBOXの表示が変わるので、設定内容の確認ができます。

    BOXの位置ですが、「サイズ」で値の指定が可能ですが、マウスを使用し、BOX自体を動かす事で配置を決める事ができます。 しっかりと指定したい場合は、事前にメモしておいた、余白、高さ、幅から計算して入力してください。

  3. 同様に、ファイルの作成日時、印刷日時、ページ番号用のBOXを追加していきます。

    「テキスト」の「属性」をそれぞれ「タイムスタンプ」、「時間」、「ページ番号」に設定してください。

  4. ここでレイアウト編集画面を閉じ、プレビューで確認を行います。

    “ファイルの作成日時”と“印刷日時”を追加しましたが、ぱっと見でどちらが何の日時なのかわかりません。
    プレビュー1

    そこで、各日時の前に“ファイル作成日:”と“印刷日時:”という文字を追加します。
    プレビュー2

    追加する方法は、いくつかあります。

    • “ファイルの作成日時”と“印刷日時”を表示しているBOXの前に、新たにBOXを追加して、各文字を入力する。
    • BOXのプロパティにある、テキストの「属性」はそのままで、「書式」を変更する。

      変更前の属性 YYYY年MM月DD日(W曜日)hh:mm:ss
      変更後の属性 ファイル作成日:YYYY年MM月DD日(W曜日)hh:mm:ss
    • BOXのプロパティにある、テキストの「属性」を「通常テキスト」にし、「テキスト」を変更する。

      変更前のテキスト 
      変更後のテキスト ファイル作成日:%timestamp%

      こちらの方法でも、デフォルトの書式が使われるのようです。

      BOXテキストの内容ですが、属性を設定しても、実際は以下のテキストが設定されます。
      (レイアウト編集画面ではわかりませんが、メイン画面-設定の一覧にあるBOXの設定画面で確認できます。)

      設定-BOX1

      属性名とテキスト
      属性名 設定されるテキスト
      ファイル名(フルパス) filename
      ファイル名 basename
      ディレクトリ名 directory
      ページ番号 pagenum
      時間 date
      タイムスタンプ timestamp

      その為、テキストの内容が、上記属性と一致してしまうと、その内容が表示されてしまいます。 (大文字小文字は無視、前後の空白も無視されるので、FileName 等でも一致してしまいます。)

      逆に、テキスト中に属性の内容を取り込みたい場合は、%で囲ってください。(例:%filename%)

  5. 後は実際に印刷して結果を確認し、 修正箇所があれば、再度テンプレートを修正してください。

以上、簡単ですがテンプレート作成例です。 今回、本文BOXは1個でしたが、2個にして、冊子印刷も可能です。 詳細は秀丸パブリッシャーのヘルプを参照してください。

【4】テンプレートの注意点

  • テンプレートファイルですが、一時的な設定のつもりで設定を変えてしまうと、 その設定が保存されてしまいます。
    (例えば、フォントの設定等)

    印刷 → 印刷ダイアログ開く → 一時的なつもりでフォントを変更  → 印刷実行

    という作業を行うと、変更内容はテンプレートに保存されます。

    設定変更を行っても、テンプレートに保存しないようにするには、 「テンプレート上書き禁止」をチェックしてください。

    テンプレート上書き禁止

  • 現状、BOXではUnicode特有の文字を指定できません。Shift_JISに含まれる文字のみ表示可能です。

    ただし、「属性」をファイル名にした場合(フルパスも含む)は、 ファイル名にUnicode特有の文字があっても正常に表示されます。

  • テンプレートの保存場所は、「秀丸パブリッシャー」のダイアログから確認できます。

    「印刷」を実行し、秀丸パブリッシャーのダイアログを表示させます。 アイアログ左上のアイコン部分をクリックすると、メニューが表示されるので「設定」を選択します。

    設定メニュー

    「印刷テンプレートの設定」ダイアログが表示され、テンプレートを保存してあるフォルダが表示されます。

    印刷テンプレートの設定ダイアログ

    テンプレートをバックアップする場合は、このフォルダを保存するようにしてください。


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