7.26.2 DELETEについてのコメント/警告

LANSA

7.26.2 DELETEについてのコメント/警告


·         DELETEコマンドによる自動「相互更新」検査の使用方法について明確に理解しておいてください。

以下のようなコマンド・フローについて考えます。

FETCH   WITH_KEY( ) or WITH_RRN( )
DISPLAY
IF_MODE *DELETE
DELETE
ENDIF
 

このDELETEコマンドにはWITH_KEYまたはWITH_RRNパラメータが指定されていないため、(FETCHコマンドによって)最後に読み取られたレコードが削除されます。

この状況では、レコードが取得(FETCH)されてから削除(DELETE)されるまでの間が「相互更新時間枠」になります。DISPLAYコマンドがユーザーのワークステーションで実行されたときにユーザーが席を離れてコーヒーを飲みに行っていれば、この時間は非常に長くなる可能性があります。

これは、自動「相互更新」検査機能の正しく有効な使用方法です。FETCHからDELETEまでの間にレコードが別のジョブ/ユーザーによって変更された場合、DELETEによって「相互更新エラー」(他の妥当性検査エラーと同様に処理される)が生成されます。

次に、以下のコマンド・フローについて考えます。

FETCH   WITH_KEY( ) or WITH_RRN( )
DISPLAY
IF_MODE *DELETE
DELETE  WITH_KEY( ) or WITH_RRN( )
ENDIF
 

このDELETEコマンドにはWITH_KEYまたはWITH_RRNパラメータが指定されているため、特定のレコード(またはレコードのグループ)が読み取られ削除されます

これは、陥りやすいコーディングの間違いです。DELETEコマンドのWITH_KEYまたはWITH_RRNの値は、FETCHコマンドのものと同じになります。ただし、RDMLコンパイラには、その値が変更されたかどうかがわらないため、DELETEの実行前にレコードを(再)読み取りせざるを得ません

この状況では、DELETEコマンドによってレコードが(再)読み取りされてからDELETEコマンドによって削除されるまでの間が「相互更新時間枠」です。この間隔は非常に短いため、実質的には「相互更新」検査に意味がなくなります。

このように、実質的に自動「相互更新」検査に意味がなくなることから、上記のような対話型プログラムでは、これはDELETEコマンドの有効で正しい使用方法とは言えません

·         WITH_KEY、WHERE、またはWITH_RRNパラメータを指定せずにDELETE操作を実行すると、ファイルから最後に読み取られたレコードが削除されます。これは、以下のように指定した場合と同じです。

DELETE FROM_FILE(ORDHDR) WITH_KEY(#ORDNUM)
 

これは機能的に以下と同等です。

FETCH  FROM_FILE(ORDHDR) WITH_KEY(#ORDNUM)
DELETE FROM_FILE(ORDHDR)
 

また、以下のような指定について考えます。

DELETE FROM_FILE(ORDLIN) WITH_KEY(#ORDNUM)
 

これは機能的に以下と同等です。

SELECT     FROM_FILE(ORDLIN) WITH_KEY(#ORDNUM)
DELETE     FROM_FILE(ORDLIN)
ENDSELECT